【ヤミ金融の手口(別冊宝島編集部)|闇金関連文献リスト】

複数の著者が多角的に捉えた闇金の実態

読者に代わって闇金関係の書籍を読み、要約を紹介しています。

 

皆さんの情報収集にお役立てください。

 

今回は「ヤミ金融の手口」(別冊宝島編集部 編)です。

 

ヤミ金を解決できる弁護士・司法書士はコチラ

 

本と著者

別冊宝島は、宝島社という出版社が発行している、幅広いテーマから一つを選んで掘り下げるムックシリーズ。

 

いろいろな立場の著者の目で、闇金というものを多角的に捉えた作品です。

 

初版は2003年で、暴虐を極めた頃の闇金の様子がわかります。

  • 夏原武(フリーライター)
  • 勝瑞豊(司法書士)
  • 橋本聡介(フリーライター)
  • 相米周二(ルポライター)
  • 内藤明亜(経営危機コンサルタント)
  • 今西憲之(フリーライター)
  • 富田淳一(フリージャーナリスト)
  • 日名子暁(ルポライター)

 

本の内容

 

「つなぎ融資」はひとつ歯車が狂えば「とどめの金融」(夏原武)

 

事業者金融業者の談話

土建業がダメになったことで事業者金融も儲からなくなった。

 

本音を言えば、高利貸しから借りるしかなくなった時点で商売のやめ時だ。

 

金融会社は東京に集中していて、貸す相手は地方の中小企業。

 

最近は新タイプの闇金が勃興している。

 

利息はトゴ、一人当たりの貸付額が小さいので小資本で始められ、登録も簡単に取れる。

 

登録業者なので広告もバンバン打て、実態と違う誇大な内容を訴えている。

 

闇金の実態

著者が闇金に架空の個人情報を伝えると「審査の結果、希望金額は難しい。とりあえず来店を。」という。

 

存在しない人間を審査する独自審査は嘘。

 

即日振込も嘘で、来店すれば地獄に落ちる。

 

内部にいた人の話。「クレジットカードを持っていればその場でショッピング枠の現金化もやるし、サラ金の借入も100万円くらいなら未借り入れの業者に20万円くらい借りに行かせ、3〜5割の手数料を取る。」

 

闇金としての貸付以外にカード現金化や紹介屋の手法も併用するということ。

 

現役闇金の乱暴な談話も収録。「店に来たら、絶対借りてもらうよ。」

 

ニュータイプのシステム金融(夏原武)

今(出版当時)、地方の中小事業者を倒産に追い込んでいる最も危険なヤミ金融はニュータイプのシステム金融。

 

50万円借りた場合、毎週15万円ずつ4回払いで返済。

 

担保は日付を入れない手形、または小切手。

 

利息は月2割で闇金にしては安いが、追加融資で傷口が広がっていく。

 

2回返したところで苦しくて20万円借りれば、そこからまた毎週15万円ずつ4回払いになる。

 

業者は3カ月目に元金を回収し、それ以降は2週に10万円ずつの利益を得る。

 

まじめゆえに倒産する!(夏原武)

最後に闇金に手を出して倒産した会社を3例取材。

 

家電フランチャイズ店

第一家電のフランチャイズは経営指導もほとんどない甘いものだった。

 

バブル崩壊の3年後くらいからデフレ進行、新興の家電量販店伸長、第一家電のブランド低下。

 

旧国民金融公庫からの借入が底をついて高利貸しに手を出す。

 

システム金融にやられ、わずか60万円の不渡りで倒産。

 

個人保証をしていた自分も自己破産。

 

駅前書店の例

小規模店舗なので雑誌の売上が中心だったが、コンビニができて奪われた。

 

コミックスで復活を試みるが、漫画喫茶など複合店ができてアウト。

 

今思えばその時点で店をたためばよかったが、数千万の借金を背負って売り場拡張へ。

 

最後はまとめ屋に騙され、負債6000万円で倒産。

 

弁当屋の例

病院や事業所への納入をメインにしていた弁当屋を親から継承。

 

食中毒事件を起こして顧客を失う。

 

値下げして、商品も従業員も質低下、借金が増大。

 

5500万円ほどの借金で倒産、店も家も失う。

 

奥さんはノイローゼで入院、子供は奥さんの実家に引き取られている。

 

個人の「破産」は家族の「破産」である! 勝瑞豊(司法書士)

平成15年施行の改正司法書士法で「町の法律家」が誕生し、司法書士の守備範囲が広がった。

 

いくつかの事例を挙げながら、弁護士より司法書士をもっと活用することで、低費用で破産できて救済につながるのでは、と訴えている。

 

引きこもり中年男性の例

もともと内気でひきこもりがちな男性がダイヤルQ2の巨額請求をきっかけに債務地獄へ。

 

清掃員の給料と年金で暮らす母親が返済を支援するようになる。

 

司法書士に相談に来るも、「借りたものは返さないといけない」「自己破産は犯罪と同じ」という強迫観念があって、債務整理が前進しない。

 

やっと決断しても「やっぱりやめます」という電話がかかってくる。

 

最終的には破産免責となったが。

 

飲食店経営者の家族

倒産、自己破産、免責。しかし家賃を滞納しているため、追い出されることに。

 

社会福祉事務所に同行して入居先探しに協力。

 

当初は冷淡な対応だったが、司法書士の身分を明かすと態度が一変し、家族が入居できる物件を探す方法を教えてくれた。

 

自己破産後に闇金の餌食になった女性

病気の子供の治療費を工面するために借金を重ねて、破産免責を受けた女性のもとに返済催促の電話。

 

破産前の借金が残っているから返せ、金がないなら借り先は教える、という内容。

 

いろいろな闇金から連絡が入り、ババ抜きゲームの餌食に。

 

夫からは離婚され、障害者の母と3人の子を抱えた状態で取り立て地獄に遭う。

 

自分自身も糖尿病とバセドー氏病で通院。

 

司法書士の処置により、ようやく落ち着ける状態に。

 

ちなみに、一人で何とかしようとして離婚・家族離散に陥る主婦は多いらしい。

 

この司法書士は、闇金問題解決は新制度である特定調停がベストと考えている。

 

国際結婚詐欺にかかった中卒工員

中卒で無口な在日の30代の工員。

 

結婚して両親や兄とも仲良く安心して暮らしたかった。

 

国際結婚詐欺にかかり、高額な見合いとキャンセルを繰り返され、支払いには消費者金融を勧められ、借金地獄、そして自己破産に。

 

これを助けるために母も兄も自己破産。

 

キーワード「自己破産」 勝瑞豊(司法書士)

下記のキーワードを簡潔に解説している。

 

  • 免責
  • 同時廃止
  • 少額管財
  • 法律扶助協会
  • 裁量免責
  • 特定調停法
  • 個人民事再生法
  • 自己破産と免責制度

 

明るい自己破産計画 橋本聡介(フリーライター)

自己破産を経験したライターの体験談。

 

自己破産決意に至るまで

家族は妻と娘の3人暮らし。

 

300万円ほどの収入で600万円の借金。

 

返済不能と判断して自己破産を選んだ。

 

それまでいろいろな人に相談したが、役に立たないアドバイスばかりだった。

 

借金の圧力は元金ではなく、利息の圧力。

 

借金で苦しんだことのない人に借金のアドバイスはできない。

 

また、後から考えると、自己破産についても誤解している人ばかり。

 

そこで弁護士会が主催する相談会に行ってみた。

 

破産申立ては自分でもできるが、申立書をうまくまとめるのは難しいだろう。

 

行政書士はアドバイスまではできるし、司法書士は申立書の作成まではできる。

 

弁護士なら裁判所の手続き、債権者との交渉もやってくれ、何より催促をすぐに止められる。

 

弁護士への依頼と申立て準備

彼は相談会で会った弁護士に頼むことにした。

 

費用は着手金20万円+免責の成功報酬20万円=40万円で、分割払いに応じてくれるという。

 

既存の銀行口座から出金し、今後入金されないようにするよう指示された。

 

返済を止め、予納金に回した。

 

弁護士の指示に従い、借入先と借入額のリスト、申立書などを作成する。

 

頼んでから3日で取り立ての電話がすべて止まった。

 

給料の振り込みを変更前の口座にしてしまうミスを犯した出版社がいくつかあった。

 

それらはカードローンの返済用に差し押さえられてしまった。

 

書類の準備は1カ月くらいで整い、裁判所に行く日取りを決めた。

 

破産申立て

弁護士といっしょに地裁支部の破産課に行く。

 

第1回審尋は5〜6分で終わった。

 

自己破産に至った経緯を簡単に答える。

 

現状については悲惨さを強調するのでなく、再スタートできる状況にあると印象づけた方がよい。

 

以後の出来事

2週間ほどして闇金のDMが大量に届いた。

 

官報のバックナンバーをチェックすると自分の名前が出ていた。

 

官報は闇金業者の営業ツールになっている。

 

免責待ち

現在は免責許可を待つ身で、すでに4カ月以上返済から自由になっている。

 

実際に体験した自己破産は、人の噂や本に書いてあることとは全く違う。

 

多重債務者を救済せよ! 相米周二(ルポライター)

日本で唯一の民間による多重債務者救済機関「岩手信用生協」の紹介。

 

50代男性の救済例

年収500万円ほどの大手販売メーカーの営業マン。家の増改築で500万円のローンを組む。+170万円の外壁工事費。

 

しかし、思わぬ不況で自腹の営業費が増え、消費者金融に頼るようになり、返済に詰まる。

 

岩手信用生協のパンフレットに目が止まり、相談。

 

まず特定調停を試みるも、金額と借入先が多すぎて「調停成立の見込みなし」と判断される。

 

生協の提案で親族会議を開き、「まじめさが招いた結果」と判定され、360万円の支援が決定。

 

相談機関からの融資350万円と合わせて、710万円を原資に債務整理に着手。

 

消費者金融の分は任意整理にし、一括払いを条件に500万円を350万円に圧縮。

 

月々の返済額は12万円にまで減り、生活再建を果たすことができた。

 

岩手信用生協の概要

1969年創立。岩手在住・勤務の中小企業の未組織労働者や一般消費者に、低利の生活資金を融資するのが目的。

 

組合員の出資金で始まったが、市町村の預託金、地元の銀行・信用金庫などから資金を増強。

 

スイッチローンによる救済例

岩手信用生協を全国的に有名にした債務整理用の低利(年率9%)借換ローンの事例をあと2つ。

 

年収190万円で300万円の負債ができた30代の女性。

 

父親同席のもと、実家に戻ることを条件に300万円のスイッチローン適用。

 

任意整理で300万円の負債は96万円に圧縮。

 

もう一例はタクシー運転手で、サラ金借入の保証人になった相手に逃げられた上、弟が入院して借り入れが増加。

 

670万円の負債は利息引き直し計算で350万円に圧縮。

 

保険の解約や親族の支援で300万円用意できたので、スイッチローンの利用は50万円で済んだ。

 

以上のように自己破産を回避。

 

延滞率・貸倒率を低く抑えるシステム

審査も厳しく、カウンセリングが徹底しており、家計簿をつけることも求められる。

 

やむを得ず消費者金融を利用してしまった人に絞り込んで救済している。

 

アメリカの類似組織

CCCS(Consumer Credit Counseling Service)は債務減額交渉、返済代行、カウンセリングなどを行うサービス。

 

米国の金利は12〜45%で安くないが、お金の教育は日本より行き届いているとのこと。

 

「やつらの手口」の研究 内藤明亜(経営危機コンサルタント)

事業資金の闇金融の手口と対策に関する記事。

 

給与資金など、猶予のない資金の交渉を当日まで引き延ばす。

 

そして現金を目の前に積んで、突如連帯保証人をつけたり、手形を切ったりすることを求める。

 

違法な高金利だが、借りる以外の選択の余地を与えないやり方。

 

連帯保証人、約束手形、抵当権がすでについている不動産への短期賃借権などが彼らの保全方法である。

 

債務者を生かしてしゃぶりつくすか、倒して保証人等から回収するか、どちらにしても彼らは徹底的に回収する。

 

まず、彼らとは接触自体を避けること。

 

どうしても他の選択肢がない場合も、本当に入金見込みが確実な場合のつなぎにしか使用しないこと。

 

極力早く完済し、すべての提出資料を回収し、彼らの連絡先なども処分して、二度と使わないと決意すること。

 

自己破産のススメ みんな戦いすぎるんや! 今西憲之(フリーライター)

自己破産で救済を進めようとする弁護士の取材記事。

 

自己破産の実情やメリットは知られておらず、先入観だけで拒絶する人が多い。

 

説得するのも弁護士の技術。

 

自分のメンツだけでなく、家族・親族の事も考えてというと心を開くことが多い。

 

事件師の「ゼニなしからゼニを絞り出す」究極のウラ手口 富田淳一(フリージャーナリスト)
 

怪しい人物の訳の分からない話。

 

俺たちのリスクマネジメント 編集部

フリーの闇金業者へのインタビューに基づく記事。

 

違法業者なのに登録しているのは、摘発された時にモグリだと心証が悪いのと、広告が打てるため。

 

しかし、登録していると都庁の金融課が抜き打ちチェックに来るため、定期的に引っ越さざるを得ない。

 

客の獲得単価は高いので、なるべく長持ちさせたく、他社より緩い基準でやっている。

 

DM一通出すのに、名簿屋へのリスト代が60円、オープンメール単価30円、郵便代が50円で合計140円。

 

千通出して貸し出しは3件弱で獲得単価は5万円になるが、貸出額は5〜10万円。

 

与信の判断は勘。

 

ヤクザとの交流はあり、いろいろ便宜ははかってあげるが、みかじめ料は払っていない。

 

揉め事の時に相手が代紋を出して来たら、名前を出してもいいと言われている。

 

たまに弁護士が介入してきた時には、身内に対して大声を挙げるとビビッて急に低姿勢になってくる。

 

しかし、闇金から踏み倒して生きている婆さんもいて、あれにはかなわない。

 

ヤミ金は取り立てが命だ! 日名子暁(ルポライター)

闇金業者に聞く取り立ての実情。

 

一人目は業界に長い人。

 

暴対法等の取り締まり強化や自己破産の増加で、闇金はもうからない商売になった。

 

二人目は闇金に大金を借りて詰まり、スカウトされた人の話。

 

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